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NO.9 高齢者に安心できる国家政策を望みたい
他県で一人暮らしをしているNPOの友人のお母さんは、85歳の高齢である。
- 友人は、自分の家に来て欲しいと願っているが、ここで一生過ごすと言って来られない。
- きっと息子には面倒をかけたくない。自分は住みなれた所で夫を想い生涯を全うできたらそれでいい。と思っておられるに違いない。
- 後期高齢者医療制度が導入された。この年代の方たちには、赤紙一枚で「お国のため」と異国の戦場に倒れ、特攻隊で愛する人の写真を胸に、大空に散っていった若き戦友達も多かった。
- この年齢層には子供達に囲まれて天寿を全うできるだけで十分と思っている方たちもいよう。
私の母もそうであった。高齢者にお金が必要なのは、子供に負担をかけたくない、孫の喜ぶ顔が見たい。
- それが一つの生きがいでもあり、そんな生活のためのお金で、決して自分だけのものはない。
- 後期高齢者医療制度の保険料年金天引きは、力が衰えても「何か役立つこともある」と思い、前を向いて生きている高齢者に大きな不安を与えた。年を取るほど強制的にお金を取られる気がしたからである。
先日70歳を超えて運転免許証の更新時を迎えたら、高齢者講習料6,150円強要された。
- 高齢者のための講習は有効と思うが、運転能力の巧拙に拘らず全員を対象
に高額な講習料は、自動車学校の支援制度との声すら聞かれる。
- 唯一の収入源である年金すら年々目減りしていく高齢者弱者に、なお国家制度でお金を取り上げていく意図が感じられる。
- これでは人生終末期を心安らかに生きてはいけない。
NO.10 安心を求めて生きる
街角で犬がほえると、散歩中の幼女はびっくりして、母親の胸にしがみついた。
- 母親はしっかりと抱きしめると、やがて幼女は安らいだ。
- この光景に人間の求める安心の原点をみる。
時世は、高齢者社会が進み欧米先進国ではジェロントロジ-と呼ばれる研究が進んでいる。
- 高齢者の可能性を探り、社会の構成員として一翼を担ってもらおうという学問分野である。
- 日本でも、高齢者は社会から離脱していくという従来の概念を変えようとする動きが出ている。
私の母は60代半ばから認知症で恍惚の人となり、子供の顔さえ分からない状態になった。
- 床についていた母を、ある時私はそっと抱きかかえた。あまりの軽さにドキッとして息を呑んだとき、母は一瞬目を見開いて「幸ちゃん」と声にならない声で言った。
私は強く母を抱きしめた。
- 母が私の名前を呼んだ最後であった。
- そこには穏やかな母の顔があった。
- 父は戦時中42歳の若さで亡くなった。暮らしは貧しかったが、母親は働きながら、残された6人の子どもに、あふれんばかりの愛情を注いでくれた。
- 「安心は人のやさしさから生まれる」と言った母の言葉を胸に、子どもが私の手を握り「お父さんありがとう」と言ってくれる瞬間まで、前を向いて生きていきたい。
- そんな思いが私のNPO活動である。

- *ジェロントロジーとは
- 日本人は古来より、70歳を超えて年齢を重ねることは稀であり、とても悦ばしいこととして、区切りの年齢を迎 えるたびに「寿」の文字をあしらい、お祝いをしてきました。
- 70歳に「古稀」を迎え、77歳で「喜寿」
- 80歳は「傘寿」、88歳は「米寿」、
- 90歳は「卒寿」、99歳は「白寿」そして、100歳は「百寿」……と。
- 1. 「老いる」ことについての研究=ジェロントロジー=老年学は、まず、老年医学における「成人病
- の克服」や「自然老化の解明」など、「寿命をどこまで延ばせるか」が、共通の関心であった。
- 2. そして、高齢化による社会制度、経済システムなどへの影響を分析する、社会科学領域もそれに続
- 3. さらに、単に寿命を延ばしたり、社会の問題を指摘するだけでなく、高齢者の生活の質を高め、よ
- りよく老いることができるためには……という、「生活の質(Quality of Life) 」「Successful Aging」という課題が浮上してきました。
- 4. ジェロントロジーは、医学・生理学・社会学・心理学・栄養学などさまざまな学術分野を横断的に
- 5. 加齢(エイジング)に伴う生涯発達や高齢化社会における生活、人間関係、心や健康の管理、老人
- 介護や諸制度・政策、経済など、さまざまな領域の問題を、多角的な側面から問題をとらえ、総合的に研究するのが特徴です。
- 6. この課題は単純にひとつの学問だけでは解決できるわけではありません。
- 総合的に解決するため、人の生活に関わるすべての学問が集まってできた学際的学問分野が「ジェロントロジー」なのです。

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