「退職後もいきいきと活動するための人生設計(キャリアデザイン)や
それに係る精神面でのコントロール等に有効なノウハウについて」
第3回 「メンタルケアについて」

講師 キャリアカウンセラー
森 俊昭 氏
目次
「第3回 メンタルケアについて」
1)会社定年:「混乱と苦悩の時期」を体験する
- ○ その危機(転機)期とは、今までの自分のあり方や生き方、つまりアイデンティティではもはや
- 自分を支えきれない、これから自分らしく生きていけないということが自覚される時期である。
- ここから再体制化がはじまる。
「アイデンティティ生涯発達論の射程」岡本祐子編著(ミネルヴァ書房)より
2)メンタルケアについて
-
2)-2 *「論理療法とは」:(アルバート・エリス)米の心理学者
- ① 人間の、悩みの問題それに付随する不快な感情は過去の出来事によって引き起こされるという
- よりは、その事実を「どのように受け止め、捉え、意味付けているか」によって生じると考える。
- ② すなわち問題の源は外界や環境、過去の出来事そのものにあるのではなく、
- その個人の「認知」と「信念」「思い込み」すなわち「ビリーフ」にあるとする。
- ③ それは
- 「出来事 + ビリーフ(信念・思い込み) = 感情」
で現わされる。
- ④ ビリーフには二つあり、非論理的、”ねばならない、すべきである”で、経験的に現実に一致
- しないもの。
- すなわち、その人の今後の人生を困難にしたり妨げたりするビリーフを
- 「イラショナルビリーフ」という。
- ⑤ 人々が基本的な目標や目的を達成するものであり、論理的で経験に基づいて現実と一致
- しているもの。
- すなわち、”こうありあたい”とかその人の今後の人生に役に立つビリーフを
- 「ラショナルビリーフ」という。
- ⑥ 問題の原因は個人の「非論理的な思考」すなわち「イラショナルビリーフ」にあり、
- 「こうありたい」を絶対に「こうあらねばならない」と考え自分自身を強くしばりつけ、
- その思考を柔軟に変えることができないことが原因となって問題はおきると考えた。


-
2)-3論理療法の「ABC(DE)理論」!
- ①ABC(DE)理論
- A (Activating Event) あるできごと
- B (Belief System) 信念・思い込み
- C (Consequence) 結果として生じる感情
- 「(A)出来事 + (B)ビリーフ = (C)感情」
- 悩みというのは不愉快な感情ですから、その背後にはイラショナルビリーフがある。
- ②「何らかの出来事があった結果」
- ⇒ 「何か失敗をした、私は要領が悪いからダメな人間です」
- ⇒ 「イラショナルビリーフ」
- ② 要領が悪いのは確かに不幸だ。
- しかし、だからといって、そのゆえに私という人間がダメ人間だということにはならない。
- ⇒ 「ラショナルビリーフ」
- ③ ようするに、悩みの根底には「イラショナルビリーフ」があり、
- それを「ラショナルビリーフ」に変えることによって悩みの除去を図ろうとするものです。
- なぜなら「イラショナルビリーフ」は、悩みという感情を導くのみならず、いまだそのような感情を伴うに至らない段階でも、思考の範囲を狭めたり、選択肢を少なくしたり、ストレスを増大させたりして、本人がそれに気づかない間に本人の人生の妨げになるからです。
- ④ イラショナルビリーフをラショナルビリーフに変えれば感情も変わる。
- つまり、悩みが解消する。要するに、ビリーフと感情とが結びついているのを利用して
- ビリーフを変えることによって感情を変えるのです。
- ⑤ すなわち、感情を直接変えることは難しいのに対して、ビリーフは理屈ですから、
- 筋の通った考え方(本人の人生にマイナスのイラショナルビリーフを捨てて、プラスのラショナルビリーフを採用する)を提示することによって変えることができるのです。

3)論理療法を使ってみよう!
- 3)-1 <現在> ~すべきである、 ~しなければならない
4) 論理療法の例
- 4)-1「私は人間関係が苦手、地域活動など出来るわけがない!」
- ↓
- 「私は人間関係が苦手、地域活動が出来るにこしたことはない!」
- 4)-2「私は経理しかやったことがない、他のことが出来るわけがない!」
- ↓
- 「私は経理しかやったことがない、経理がやれたら、それにこしたことはない!」


5)-1 キャリア開発とは
- 出典:
- 横山哲夫:組織・心理開発研究所(有)代表、
- 今野能志:(有)行動科学研究所所長、
- NPO日本キャリア・カウンセリング研究会副会長
- CDW(キャリア・ディベロップメント・ワークショップ)を主宰
5)-2 自分のライフ・ライン(こころのチャート)を描くこと
- キャリア開発の第1ステップは、自分のライフ・ライン(こころのチャート)を描くことで自分とは一体何者かを見つめていくのです。
- ① ライフラインはこんな風に描きます。
- あなたのこれまでを振り返るため、横軸に年齢、縦軸にこころの状態(最充実期を山とし、最低迷期を谷としてこころや気分の点をプロットします)をとります。
- そして点を波線でなぞってみれば、そこに自分の過去のこころの歴史を展望できるはずです。
- その時々の事件、出来事を追加記録すれば、自分を具体的、全体的に知ることができるわけです。
- 自分とは一体何者か?

- ライフラインを見つめながら考えて欲しいのです。
- ② 次にそのライフラインから、
- 自分の弱み、強みを列挙してみましょう。
- 自分の苦悩、喜びを列挙してみましょう。
- それぞれは独立したものでしょうか、
- それともひとつの本質の2つの側面である
- ということではないでしょうか。

5)-3 「歩き出す前に 」
- ・自分は何が得意か
- ・自分はいったい何がやりたいのか
- ・どのようなことをやっている自分なら、意味を感じ、
- 社会に役立っていると実感できるか。 考えよう!
- ・自分の夢を振り返り、自分の価値観・未来への夢を 考えよう!
5)-4 ライフライン記入表
5)-5 ライフライン振り返り表
6)-1 あなたのキャリア・アンカーは何ですか?


6)-2 では、「私の生き甲斐」って何ですか?
- 自分の価値観で、短い言葉にしてください。
- 私の生き甲斐とは、________________________________________________________________________
- です。
7) 新たな「10万時間」に何をするか
サラリーマン現役時代の労働時間と、60歳で定年後の自由時間が殆ど同じ
- ■ サラリーマンが20歳から60歳の定年まで40年間、週48時間働いたとして、
- ■ 一方、1日24時間のうち、睡眠や食事の時間を引いた14時間が自由時間60歳の定年から80歳
- ■ 何もしないでのんびりと過ごすには、この10万時間はあまりにも長すぎる時間 。

- ■ 現代の60歳前後の世代は、体力や知力、気力ともに「まだまだやれる」
- 年齢。
- 目的もなく毎日を過ごしていては、数年後には暇を持て余してしまう。
- へたをすると、家族からやっかい者扱いされたり、早くからボケ症状が出てしまう。
- ■ そうならないためにも、現役時代から定年後の人生を本気で設計する
- 必要あり
- 「自分はどんな定年後の生活を送りたいのか」
- 「そのためには何をすればいいのか」 を考えることが大事。
- ■ 何より、定年後を「余った生(余生)」ではなく
- 豊かな人生の開花期として、積極的にとらえなおさなければならない。
「定年後設計腹づもり」堀田 力著:三笠書房
8) 地域社会へのソフトランディング
9) 自分のライフワークを見つけるには・・・

10) 最後に
「セカンドライフへのキャリアデザインとメンタルケア」
- を3回に亘って紹介させていただいた。
- 何かのご参考になれば、この上ない喜びである。
- 最後に皆さまと共に「セカンドライフ」を生きることへの
- 讃歌を込めて次の言葉で締めくくらせていただきたいと思う。
キャリアカウンセラー「森 俊昭」
