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脳卒中とは
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1.脳卒中とは
- 「脳卒中」「脳血管障害」は一般的につかわれる用語で、専門的には「脳血管疾患」という。脳の血液が詰まって流れなくなることは「脳梗塞(のうこうそく)」、脳の血管が破れて出血したりすることは「脳出血」と呼ばれている。
- 脳卒中が原因で脳の組織が傷つけられると、意識がなくなったり、言葉が話せなくなったり、手足がしびれるなどの症状が出る。
←1.脳卒中による死亡→
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2.脳卒中による死亡
- 1)脳血管疾患は、昭和26年に結核にかわって第1位となったが、45年をピークに低下しはじ
- め、56年には悪性新生物にかわり第2位に、更に、60年には心疾患にかわり第3位となりその後も死亡数・死亡率ともに低下を続けた。平成18年の全死亡者に占める割合は11.8%となっている。(図5):厚生労働省資料

- 2)脳卒中は、日本人の死亡原因2006年(平成18年)の統計では悪性新生物(がん)、心疾
- 患に次いで第3位になっている。死亡総数は全体の11.8%で、12万8203人で有った。
-
3)死亡人数及び死亡数共に平成17年度より減少している(平成17年度132,847人)
| 病 名 |
死亡人数(人) |
死亡率(%) |
| 脳梗塞 |
76,975 |
60 |
| 脳出血 |
33,264 |
26 |
| くも膜下出血 |
14,462 |
11.3 |
| その他 |
3,501 |
2.7 |
| 合 計 |
128,203 |
100 |
|
|
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←3.脳卒中の種類→
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3.脳卒中の種類
- 1)くも膜下出血
- 脳をおおっているくも膜と脳の間にある動脈に「動脈瘤」という瘤ができ、これが破れ、脳の表面を取り囲むように出血するものである。
- 2)脳出血
- 高血圧などにより脳の血管がもろくなって破れ、出血する。出血した血液は固まって血腫(血のかたまり)となり、脳細胞を圧迫するなどして、脳の機能が障害される。
- 3)脳梗塞
- 脳の動脈が何らかの原因により詰まってしまうものである。
-
(1)アテローム血栓性脳梗塞
-
(2)心原性脳塞栓症
-
(3)ラクナ梗塞

←4.脳出血と脳梗塞は、次のような状況である→
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4).脳出血と脳梗塞は、次のような状況である
- ① 脳の一部が出血するか血液が行かなくなって、
- ② 結局脳細胞が壊死により壊されて、
- ③ 障害を受けた脳の「部位」と「大きさ」によって異なった後遺症の症状をうける。
- ④ 受けた「部位と大きさ」で後遺症の個人差が生じる。
- ⑤ 壊死した脳細胞は再生しない。
-
*脳の部位による異なる機能

←5.脳卒中の後遺症→
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5)脳卒中の後遺症
- 脳卒中の治療後に苦しむのは、後遺症の問題がる。
- 症状としては、
- ① 手足のマヒをはじめ、
- ② 言語障害や
- ③ 視覚障害、
- ④ 感覚障害など、患った部位と障害の程度にもよる。
- ⑤ 脳卒中を患い、後遺症が生じても、その後の治療やリハビリによって、かなり回復する
- ・脳の働きと後遺症の関係とリハビリについては概略次のようである。
←(1)片マヒ→
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(1)片マヒ
- ① 運動中枢や神経線維が障害されて片方の手足にマヒが起こる状態を「片マヒ」と呼ぶ。
- 左の運動中枢が障害されると右半身にマヒが起こり、右の運動中枢が障害されると左半身にマヒが起こる。
- ② マヒの度合いは、手足のしびれやふるえといった軽いものから、まったく動けず痛みな
- ③ 足のマヒでいえば、適切な治療とリハビリを行えば片マヒの患者の80パーセント以上
- が、杖などを使って1人で歩けるようになるといわれている。
- ④ 大切なのは「急がず、焦らず、あきらめず」リハビリに励むことである。
←(2)言語障害→
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(2)言語障害
- 「言語障害」といっても、障害を受けた脳の場所と大きさによって症状が違ってくる。
- ① 側頭葉(聴覚、嗅覚、味覚)に障害が現れると、言葉を聞いて理解する力が衰え、相手
- との会話が成り立たなくなる。情緒や感情の中枢、言葉を聞いて理解する感覚性言語中枢が障害を受けてしまう。
- このような症状を「ウェルニッケ失語」という。
- ② 前頭葉(思考、判断、計算)に障害を受けると、頭では言葉を理解できているのに、話
- そうとすると言葉にならなくなる。手足を動かす為の指令を出す運動中枢や、言葉を話す為の機能を調整する運動性言語中枢が障害を受ける。
- これは「ブローカー失語」という。
- ③ その他にも、言葉を理解することも話すことも出来ない「全失語」。
- ④ 言葉を理解できても簡単な単語を忘れてしまう「健忘性失語」がある。
- ⑤ これらの失語症は、発病後6カ月を過ぎてから回復することもある。
- 失語症のリハビリは、病状や精神状態が安定してからはじめ、根気よく続けることが大切であるとされている。
- ⑥ また、舌や喉などの発音に必要な筋肉にマヒがあると、ろれつが回らなくなり、言葉が
- つっかかってしまう「マヒ性構音障害」がおこる。
- 早期から顔や口、舌を動かす練習が必要となってくる。
- 「ハーモニカの練習」が効果を示した例や自主グループの中で語り続けていく中で、かなり戻ってきた事例も多い。
←(3)視覚障害→
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(3)視覚障害
- ① 視覚障害とは、視野の片側半分が見えにくくなる「半盲」である。
- ② 半盲は両目に起こり、慣れるまでは見えない部分にある壁などにぶつかったり、ものを
- ③ このような場合は、顔ごと上下左右に動かして周囲を確認し、欠けている視野を補う。
←(4)感覚障害→
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(4)感覚障害
- ① 感覚障害とは、マヒのある手足がしびれたり、痛み、熱さや冷たさ、圧迫感などを感じ
- ② 痛みを感じないため、包丁やハサミで指を切ったり、熱い湯に触ってやけどしても気づ
- ③ 手足のしびれの後遺症としては、発病後何ヵ月後もたってから現れることがある。
←(5)肩の亜脱臼→
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(5)肩の亜脱臼
- ① 発症5か月目位から、急に経験のない「肩の激痛」に見舞われた。
- ② 肩の拘縮をきたしているものと考えられ、まひのため長く肩を動かさなかったために、
- 肩を構成する筋、腱(けん)および関節包が委縮し、本来の肩の動きができずに、さらに、肩の筋肉が激減し、神経細胞が、直接腕の重みで、強い刺激を受け痛みを生じるのだと発症1年も経って自主グループの仲間に教えられた。
- ③ 対処法としては、痛み止めとリハビリによる可動域訓練と筋肉の増強が必要だという。
- 痛い中でも、肩のリハビリを継続していたことに安どしていた。
- ④ 痛みは、発症後5カ月目から8ヶ月も続いた。腕を切り落としたい程の痛みで、これも
- 経験のない痛みで有った。痛みに少しずつ挑戦し、リハビリを続け、余り痛いので鎮痛剤を服用し、湿布薬の使用を続けた。筋肉と体力の回復に従って、徐々に、痛みは治まって行き、2年目はほぼ痛みも治まって行った。
←(6)情緒障害→
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(6)情緒障害
- 手足のマヒや言語障害など肉体的後遺症に加え、もろもろの喪失体験に伴うやる気の低下や、気分の落ち込みや自信喪失を伴う情緒障害も後遺症の一つである。
- 突然、からだに障害を持ち、全く思うように動かない事実は大変ショックであり、気分が暗くなったり、笑顔も見せなくなる状態(仰うつ状態)や感情の起伏が激しくなる。
←(7)高次脳機能障害→
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(7)高次脳機能障害
- 脳卒中や交通事故などで、「脳に損傷」を受けたため、「言語・記憶・思考」など、「脳の高次な機能」に障害がおこる病気である。
- 様々な障害があり、症状の軽重や障害の重複などは個人差がある。
- ① 記憶障害
- ② 注意の障害:集中力が続かない・同時に2つのことをすると混乱する。
- ③ 遂行機能障害
- ④ 行動や情緒障害
- ⑤ 失語症
- ⑥ 失認症
- ⑦ 半側空間無視など多くの障害がある。外見から障害が分からない問題がある。
- 全国で現在約30万人の「高次機能障害者」がいると言われている。
←(8)後遺症はリハビリでどの程度回復するか→
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(8)後遺症はリハビリでどの程度回復するか
- 後遺症はどの程度回復するものなのか、家族や患者さんが最も心配することである。リハビリは、一生続くというものであり、適切なリハビリが大切である。
- 一般的には、後遺症で最も多いのが手足の片マヒである。脳卒中のリハビリは、
- ① 急性期リハビリー「発症後~3か月」を一般的に「急性期リハビリ」と言われ、障害回
- ② 回復期リハビリー「発症後~6か月」でほぼ95%程度が回復し維持期リハビリー「6か

←(9)「一生続くリハビリテーション」の回復の流れと内容→
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(9)「一生続くリハビリテーション」の回復の流れと内容
- ① 「急性期リハビリ」は、脳卒中の症状が止まり、呼吸や血圧などが落ち着いたら、一刻
- も早く、開始される。
- 意識障害があっても、看護師や理学療法士が、ベッド上で関節を動かすなどの簡単なプログラムを始めておかなければ、深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)や関節拘縮、褥瘡(床ずれ)などのリスクがあるからである。
- これらの症状をまとめて廃用(はいよう)症候群といい、いかに廃用症候群を防ぐかということが大切である。
- ② 食事をする際には、食べ物を飲み込めない嚥下障害(えんげしょうがい)と口の中で
- うまく咀嚼(そしゃく)できない摂食障害に注意する。
- 摂食・嚥下障害の原因疾患の約40%が脳卒中の後遺症であるといわれている。
- 摂食・嚥下障害と一言でいっても様々なタイプがあり、脳卒中の部位や大きさ、病巣が両側か片側かなどで大きく異なってくる。嚥下障害によって、一番危険な、むせることや、喉につめてしまう事も考えられる為、食事中は必ず、見守れる状態にする。
- ③ 意識障害が改善してきたら、徐々に座るように誘導される。およそ30分の座位がで
- きるようになったら、リハビリ室でのリハビリに移行する。リハビリは、理学療法PT、作業療法OT、言語療法STが行われる。
- ④ 歩くためのリハビリはおもに理学療法で行うが、少し下肢が動くようになったら、早め
- に下肢装具を作る。このときの装具には健康保険が適用される。
- 装具を使うことによって、早期から立つ訓練ができるようになり、体重をかけて歩行訓練などを行うことで回復が促進される。また、歩くことだけがリハビリではないので、身の回りの動作 も積極的にリハビリするようにし、こちらの方は作業療法で行う。
- ⑤ この時期、患者の精神的情緒の混乱が顕著となり、心の動きにも注意が必要であり、や
- ⑥ 麻痺が残ったり、日常生活での不自由が残る場合には、リハビリ専門病院または病棟
- に移る。このような病棟を「回復期リハビリテーション病棟」という。
- 平均的には、発症後1か月程度で転院する場合が多い。
- ⑦ 回復期リハビリテーション病棟では、一般に急性期の病院よりも、多くのリハビリスタ
- ッフがおり、ケースワーカーも常勤しているはずであるので、介護保険、社会福祉、今後の生活のことなど積極的に相談されると良い。
- ⑧ 順調にいけば、長い下肢装具が短い装具になり、杖で、一人で歩けるようになる。
- もちろん、装具も杖も必要なくなる場合もある。
- ただし、リハビリを焦るあまり、転んで骨折することがあるので、最大限の注意が必要である。装具はないに越したことはないが、転倒のリスクが減るのであれば、装具も杖も使い、歩けるようになることが先決である。まさに転ばぬ先の杖である。
- ⑨ 退院後は、外来で仕上げ のリハビリを行う。
- 通常は、週に1回程度であるが、多くの病院では、入院患者のリハビリに重点が置かれていて、外来リハビリを行う余裕がないのが実情である。
- ただ、「維持期」になっても、週に何回もリハビリを続ける必要はない。
- ⑩ むしろ、自宅でどうやって、「機能維持」「QOL(生活の質)の向上」「社会復帰」
- などの目標を見出し、積極的に体を動かすことが大切である。
←(10) 6ヶ月の「「回復期リハビリ」を終了すると「回復しないのか?」→
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(10) 6ヶ月の「「回復期リハビリ」を終了すると「回復しないのか?」
- ① リハビリ開始後、3か月位の「急性期」は急激に回復し、そのために「元に戻る」錯覚
- をしてしまう。それ以降は、リハビリの成果の遅さが明らかになって、更に絶望してしまう。
- ② 医学関係の方は、6ヶ月で大体良くならないといわれるが、自主グループに行った時、
- 『回復は月単位でなく年単位。年ごとに「らせん階段」登るように、回復するよ。』と言われた。6年経過して、自主グループの先輩の言われるとおりであった。
- ③ リハビリは、「焦らず、急がず、諦めず」「希望を捨てずにやり続ける」ことが大切で
←(11) 最近のリハビリ;脳の可塑性(かそせい:元にもどる・よくなること)に基づくリハビリ→
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(11) 最近のリハビリ;脳の可塑性(かそせい:元にもどる・よくなること)
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に基づくリハビリ
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① CI療法
- 「脳の可塑性」が科学的な画像処理により、証明され始め、特に「上肢の麻痺の、これ以上やってもよくならない」という「常識」に疑問がもたれるようになっている。
- 再度患側の上肢などにアプローチするCI療法などが 試みられるようになっている。
- CI療法(Constraint induced movement therapy)というのは麻痺した手を強制的に使うことで回復するという考え方で、麻痺していない方の手を拘束して使えなくしてしまうといったリハビリの方法である。
- 対象者には、条件はあるが、日本では兵庫医科大学等で取り組まれている。
- *麻痺した手の訓練の開始
- 従来は、脳梗塞によって一度失われた脳細胞が復活することはなく、麻痺側のリハビリテーションは拘縮の予防以上の意味合いになることはないとされてきた。
- このため、麻痺側のリハビリテーションを積極的に行う施設も少なかったが、ここに来て考え方が少し変わりつつある。
- 1.麻痺した手を使うことで脳が変化する(悪化する事が防げる)
- 2.末梢(例えば手)を使わないと脳は同じ場所の機能を置き換える
- 3.脳が変化するには相当な時間や量、末梢(例えば手)を使う必要がある
-
②目的意識を持たせたリハビリ
- 脳の可塑性を促す方法として紹介されているのが課題志向型アプローチと呼ばれている方法で、これは単なる筋力トレーニングを行わせるだけでなく、患者に多くの課題(リハビリの次の目標、標的を指し示す、指のタッピング、迷路、ネジを締める、物体の移動など)を含む積極的な訓練プログラムを行ってもらうものである。
-
③小脳を鍛えるリハビリ
- 手足の運動の回復に小脳の働きが関与しているならば、それを積極的に利用することができればリハビリの効果が上がる。
- 小脳の働きは、早くて正確な動き、たとえば速く走ったり、遠くのものをすばやくキャッチしたりといったときに最大限に発揮される。
-
④脳細胞の代替機能
- NHKで紹介された事例で、手術で大脳半球をとってしまった患者の例である。
- 通常片麻痺になってしまうが、若い患者の麻痺側の機能が戻っていた。
- 片脳しかない人の脳の働きを機能MRIなどで調べてみると、麻痺側の刺激に対しても、同側の脳(とられていない側の脳)の細胞が反応することがわかる。
- この現象は、脳を半分とられた患者であっても、脳がその状態に適応して半分だけ残った脳で両手足の動きを制御していることを意味している。
-
⑤鏡を使ったイメージ・リハビリなど、
脳の可塑性に基づくリハビリが急速に増加して
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